ハノイ国家大学 外国語大学 大学院 BÙI THỊ HOÀNG ANH 「上がる・のぼる・くだる・下がる・おりる」の上下移動動詞の 用法の考察 KHẢO SÁT CÁCH DÙNG CỦA NHÓM ĐỘNG TỪ BIỂU THỊ HOẠT ĐỘNG DI CHUYỂN LÊN XUỐNG「上がる・のぼる・くだる・下がる・おりる」 ĐỐI CHIẾU VỚI
日本語の移動動詞
日本語の移動動詞の概要
寺村(1982)は「行く」「歩く」「戻る」「出る」「飛ぶ」などの主体の移動を表 す動詞を移動動詞と言う。移動には移動の起点、移動の経路、移動の着点の 3 つ が関わり、日本語では起点を「を」、経路を「を」、着点を「に」で表すという文 法がある。
例 家を出る(起点)
歩道を歩く(経路)
学校に着く(着点)
李(2009)は日本語の移動動詞は 5 つの種類があり、「出発志向動詞」「経過志 向動詞」「到着志向動詞」「 目的地志向動詞」「方向志向動詞」に分けた。その中、
「上がる」と「のぼる」は到着志向動詞である。また、「くだる」は経路志向動詞、
「下がる」は方向志向動詞に分けられる。「おりる」は出発志向動詞である。
例 階段に上がる(着点)
山に登 のぼ る(着点)
坂を下 くだ る(経路)
後ろに下がる(方向)
木から下 お りる(出発)
また、移動動詞が移動の方向の意味を含む有方向移動動詞(come, go, leave, enter など)と移動の様態の意味を含む移動様態動詞(walk, skip, swim など)に大
別されることが知られている(Levin 1993、上野・影山 2001)。これは英語におけ る動詞の分類である。本研究は、この視点を参考にし、日本語の移動動詞を 2 つ のグループに分け、有方向移動動詞(来る、行く、入るなど)と移動様態動詞
(歩く、走る、泳ぐなど)を含んでいる。
伊東 (2014)は使役空間移動動詞の分類についてこのように述べた。日本語の使
役空間移動動詞には、 移動の方向性 を含んだ動詞が数多く存在する.。たとえば
「上げ る」「下げる」「落とす」「降ろす」「入れる」「出す」 などである。 一方向だけでなく、「集める」「広め る」「回す」「逃がす」のように複数の移動方向が予
想できる動詞もある。これらの動詞は、「打ち 上げる」「投げ入れる」「拾い集め る」のように、複 吅動詞の後項となることができ、前項で使役の手 段などが表せ る。「置く」は、方向性を明白に表 してはいないが、ある場所の上面に移動させ
るので、 移動の方向性を含んだ動詞と考えられる。これは動詞の分類である。本 研究は、この視点を参考にし、日本語の移動動詞を 2 つのグループに分類する。 それは、有方向移動動詞(来る、行く、入るなど)と移動様態動詞(歩く、走る、 泳ぐなど)である。
このように、以上の研究に基づき、本研究は日本語の動詞の移動について、次 のようである。定義については、「行く」「歩く」「戻る」「出る」「飛ぶ」などの主 体の移動を表す動詞を移動動詞と言う。分類については、日本語の移動動詞を 2 つのグループに分け、有方向移動動詞(来る、行く、入るなど)と移動様態動詞
(歩く、走る、泳ぐなど)を含んでいる。
上下移動動詞の「上がる」 「のぼる」 「くだる」 「下がる」 「おりる」
これからは 5 つの移動動詞を「上がる」「のぼる」 の上の方向と「くだる」「下 がる」「おりる」の下の方向を表す 2つのグループに分け、それぞれの先行研究と 日本語辞書に基づいた用法を述べる。
1.2.1 上の方向を表す移動動詞の「上がる」「のぼる」
1.2.1.1.「上がる」 a グーグル辞書の国語辞典
低い所から高い所に移る⇔下りる 例 二階に上がる
物の位置が高い所へ移る⇔下がる・下りる 例 幕が上がる
物が動き進んで高い空間に移る 例 花火が上がる
水上や水中から外に移る 例 陸に上がる
履物をぬいで家の中に入る 例 屋敶に上がる
上の段階や等級へ進む⇔下がる 例 学校に上がる
程度が高まる⇔下がる 例 気温が上がる
ここで「物の位置が高い所へ移る」の用法が「低い所から高い所に移る」の用 法に含んだから、これから「低い所から高い所に移る」の用法だけ述べる。また、 その上の用法の他に、幾つかの用法があるが、それは古い用法であり、今まで使 っていない、あるいは、移動を表しないから、本研究で調べない。 b 先行研究
室井(2004)は「上がる」の用法を 2 つ分けた。一つ目は方向規定との関係を表すことである。この用法の「上がる」は出発点・経路・着点のすべてのものと共起できるがそれらのうちのいずれかをつねに焦点化しているわけではない。もう
一つは移動体の性格を表すことである。この用法の「あがる」は移動体の性格に ついての制限はない。つまり、「あがる」上方への移動一般を表す。
例 呼ばれて二階にあがった。(着点)
階段をあがって二階に行く。(経路)
例 積荷がクレーンに吇るされてあがっていった。
申(2006)は「あがる」の用法を空間移動と抽象移動を分け、分析した。また、
他の用法もあるが、移動を表しない用法は本研究で調べない。空間移動を表す用 法は以下の前の4つある。抽象移動の用法は後の5つある。
上にある目標物への移動を表している 例 階段をあがる
話者を基準にして、話者に近づく 例 屋上にあがった
部屋などの出入りをあらわす 例 部屋にあがって
その他 例 ほこりがあがる
抽象性の上方向への移動をあらわす 例 物価があがった
結果の程度を評価する 例 成果があがる
名簿などに載る 例 リストにあがる
速度などが以前に比べて段々高くなる状態をあらわす 例 スピードがあがる
上位の学年や学校に進学する 例 中学校にあがった
田中(2017)は「上がる」の移動の用法に関する例をこのように述べた。また、 他の用法もあるが、移動を表しない用法は本研究で調べない。
程度が高まる 例 気温が40度にあがる、熱があがる、腕前があがる、成績が
物の位置が高い所へ移る 例 リフトがあがる、地盤があがる、幕があがる
低い所から高い所に移る 例 頂点にあがる、北にあがる、峠にあがる、屋根 にあがる
地方から中央へ行く 例 京にあがる、都にあがる
上の段階や等級へ進む 例 来年、小学校にあがる
1.2.1.2.「のぼる」 a グーグル辞書の国語辞典
そこを通って高い所に行く⇔下 くだ る 例 坂道を上 のぼ る
川の上流へ向かって進む⇔下 くだ る 例 川を上 のぼ る
地方から中央へ行く⇔下 くだ る 例 江戸へ上 のぼ る
数量が、無視できない相当の程度に達する 例 数百人に上 のぼ る
あるところで、取りたてて問題とされる 例 話題に上 のぼ る
他より一段と高い所へ移り進む⇔下 くだ る 例 山に登 のぼ る
太陽・月などが空高く現れる 例 日が昇 のぼ る
高い地位につく 例 大臣の位に昇 のぼ る
その上の用法の他に、幾つかの用法があるが、それは古い用法であり、今まで 使っていない、あるいは、移動を表しないから、本研究で調べない。 b 先行研究
室井(2004)は「のぼる」の用法を 2 つ分けた。一つ目は方向規定との関係を表
すことである。この用法の「のぼる」は出発点・経路・着点のすべてのものと共 起できるが,つねに経路を焦点化している。つまり経路の焦点化が内在化されて いる。もう一つは移動体の性格を表すことである。この用法の「のぼる」は動作 主性の高い移動体の全体としての移動を表すのに用いられる。「積荷」は「クレー ンに吇るされて」 によって被動者であることが明確でり、それゆえ「のぼる」を 使うのは不自然である。つまり、「のぼる」上方への移動のうち,動作主の移動経 路全体にわたる行為による移動を表す。
例 階段をのぼって二階にあがった。
例 *私たちはエレベーターで屋上にのぼる。
田中(2017)は「のぼる」の移動の用法に関する例をこのように述べた。また、
他の用法もあるが、移動を表しない用法は本研究で調べない。
数量が、無視できない相当の程度に達する 例 気温が40度にのぼる
下から上へ、低い所から高い所へ移る 例 頂点にのぼる
地方から中央へ行く 例 京にのぼる、都にのぼる
高い地位につく 例 首位にのぼる
太陽・月などが空高く現れる 例 日がのぼる
1.2.2 下の方向を表す移動動詞の「くだる」「下がる」「おりる」
1.2.2.1.「くだる」 a グーグル辞書の国語辞典
上から下へ、高いところから低いところへ移る⇔のぼる 例 坂を下 くだ る
中央から地方へ行く⇔のぼる 例 東海道を下 くだ る
高い地位の人から下げ渡される 例 恩賜金が下 くだ る
判断や命令などが言い渡される 例 判決が下 くだ る
時、時代が移る
ある基準の数値・数量よりも下になる 例 犠牲者は一千人を下 くだ らないだろう
程度・価値などが务る
雤などが降る
その上の用法の他に、幾つかの用法があるが、それは古い用法であり、今まで 使っていない、あるいは、移動を表しないから、本研究で調べない。 b 先行研究
田中(2017)は「くだる」の移動の用法に関する例をこのように述べた。また、
他の用法もあるが、移動を表しない用法は本研究で調べない。
上から下へ、高いところから低いところへ移る 例 アタック隊がベースキャン プにくだる、峠をくだる
中央から地方へ行く 例 江戸にくだる・西国にくだる
程度・価値などが务る 例 気温が氷点下にくだる
1.2.2.2 「下がる」 a グーグル辞書の国語辞典
まとめ
日本語では、一般的に移動動詞、特に方向を持つ移動動詞は、世界中の言語学 研究で扱われてきた。しかし、これまでのところ、日本語とベトナム語における 上昇・下降方向の移動動詞群に関する対照研究は行われていない。
日本語とベトナム語の移動動詞は、研究の観点や目的に応じてさまざまに分類 されてきた。本論文において注目すべき点は、移動動詞を方向性のある動詞と方 向性のない動詞に分けるという分類方法である。本研究の対象は、日本語の上 昇・下降方向の移動動詞と、ベトナム語との対照に関するものである。
本論文の理論的基盤については、研究の目的を達成するために必要な基本的な 概念や理論的課題を取り入れ、それを本研究に適用した。これにより、移動動詞 と方向性のある移動動詞、上昇・下降方向の移動動詞という概念に焦点を当て、 特に「上がる」「のぼる」の上昇方向の動詞群と、「くだる」「下がる」「おりる」 の下降方向の動詞群を研究対象としている。これらの理論的内容は、論文の研究 内容を展開するための明確な理論的枞組みを確立している。
このように、上に述べた先行研究は5つの移動動詞の用法が全てグーグル辞書の国語辞典にある。この下の表はその 5 つの移動動詞の用法の他に、グーグル辞書の国語辞典にある珍しく慣用的な用法もまとめる。
表 1.辞典に基づいた上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の用法
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
1.低い所から高い所に
移る⇔下がる・下 お りる
例 二階に上がる
幕が上がる
1.そこを通って高い所 に行く⇔下 くだ る
例 坂道を上 のぼ る
1.上から下へ、高い ところから低いとこ ろへ移る⇔上 のぼ る
例 坂を下 くだ る
1 物の一端が他の端よ り下へ向かう
例 つららが下がる
1 高い所から低い方へ と移る⇔上がる
例 木から下 お りる
2.物が動き進んで高い
空間に移る
例 花火が上がる
2 川の上流へ向かって
進む⇔下 くだ る
例 川を上 のぼ る
2 中央から地方へ行
く⇔上 のぼ る
例 東海道を下 くだ る
2.高い所・位置から低 い所・位置へ移る⇔上
例 水位が下がる
2.物が人の操作によっ て下の方へ移動する⇔ 上がる
例 幕が下 お りる
3 水上や水中から外に
例 陸に上がる
3 地方から中央へ行く
例 江戸へ上 のぼ る
3 高い地位の人から 下げ渡される
例 恩賜金が下 くだ る
3 今までよりも低い段 階に移る⇔上がる
例 地位が下がる
3 負担になっていたも のがなくなる
例 肩の荷が下 お りる
4 履物をぬいで家の中
例 屋敶に上がる
4 数量が、無視できな い相当の程度に達する
例 数百人に上 のぼ る
4 判断や命令などが 言い渡される
例 判決が下 くだ る
4 身分の高い人の前な どから退出する
例 御前を下がる
4 官公庁などから、支 給・下付される
例 認可が下 お りる
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
5 上の段階や等級へ進
例 学校に上がる。
5 あるところで、取り たてて問題とされる
例 話題に上 のぼ る
5 時、時代が移る 5 京都で、南へ行く⇔
5 霧や霜などが地上・ 空中などに生じる
例 露が降 お りる
6 程度が高まる⇔下が
例 気温が上がる
6 他より一段と高い所 へ移り進む⇔下 くだ る
例 山に登 のぼ る
6 ある基準の数値・
数量よりも下になる
例 犠牲者は一千人
を下 くだ らないだろう
6 官庁などから金銭や 許可などが与えられる
例 恩給が下がる
6 乗っていた乗り物か ら出る。⇔乗る
例 バスを降 お りる
7 太陽・月などが空高 く現れる
例 日が昇 のぼ る
7 程度・価値などが
7 後ろへ退く
例 白線の内側まで下 がってお待ち下さい
8 高い地位につく
例 大臣の位に昇 のぼ る
8 牢獄に入って刑に 服する
例 時代が下がって明 治となる
9 貴人の御座所近くへ 参上する
9 涙が流れ出る
上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」 の文学作品における用法
文学作品における上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」 「おりる」の用法
「おりる」の用法
ここで日本の文学作品における「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おり る」の 5 つの上下移動動詞の実際の使用頻度の考察について目的、対象・範囲、 方法と結果をまとめる。それから、考察の結果に基づいて、5 つの上下移動動詞 の用法を分析し、結論を出す。
2.1.1 日本の文学作品における「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「お
りる」の 5 つの上下移動動詞の実際の使用頻度の考察
2.1.1.1 考察の目的
上下移動動詞は日常会話によく見られ、 外国語教育においても重要なテーマで ある。 日本語の文学作品及びそのベトナム語の訳本における上下移動動詞 「上が る」 「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」を以下の順に考察する。
その上の5つの上下移動動詞は日本語の文学作品において、
どのように使われているか、またそれぞれの動詞の出現頻度はどの程度か。
これらの上下移動動詞はどんな特徴を持っているか。
それぞれの動詞がベトナム語にどのように翻訳されているか。(この内容は第 3
章に述べる)
2.1.1.2 考察対象及び範囲
上述の目的を果たすために、30 冊の日本語の文学作品、 そのベトナム語訳本
30 冊、 吅計 60 冊について検討する。 60 冊の作品に基づく 「上がる」「のぼる」
「くだる」「下がる」「おりる」の 5 つの上下移動動詞の表現についての全体像を 作成する。
考察対象の日本語の文学作品のリストは参考文献に挙げる。選んだ理由は、これらの作品は内容も対象読者も異なり、 また表現も違うことである。ベトナム語
の訳本はほとんど Nguyễn Nam Trân に翻訳された。作品のテーマが様々であるか ら、その上の5つの上下移動動詞に関する豊富な 越訳語が集められる。
論文の考察では以下の方法を用いた。
30冊の文学作品から、5つの上下移動動詞を使った例文を集める。
集めた上記の例文を対象とし、5 つの上下移動動詞の用法を分析する。前章で 述べた理論に基づき、得られたデータを処理し、結果を表かまとめ、5 つの上下 移動動詞の特徴を明らかにする。
集めた用例を越訳語と比較する。これらの翻訳用例を 30冊の訳本から引用し、
5つの上下移動動詞はベトナム語でどのように訳されたかについて纏める。
日本語の作品の考察結果について、30 冊の作品における 5 つの上下移動動詞は 様々な形式で表現されている。「上がる」は「上がり」「上がった」「上がらなかっ た」「上がる」「上がって」など形式がある。「のぼる」は「上る」「上り」「登り」
「昇り」などの形式がある。「くだる」「下がる」「おりる」も様々な形式がある。 また、移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる 」の使用頻度 が異なる。具体的に、以下の表でまとめる。
表 2 日本語小説で使われた上下移動動詞の使用頻度・比率
上下移動動詞 上がる のぼる くだる 下がる おりる
考察の結果、5 つ上下移動動詞の吅計回数は 244 回である。その中で「のぼる」
が 41%を占めている。 また、「おりる」が 26.2%、「上がる」が 14.8%、「下がる」
が9.4%、「くだる」が8.6%である。
2.1.2 作品における上の方向を表す「上がる」「のぼる」の用法
2.1.2.1 作品における「上がる」の用法
考察の作品における「上がる」の用法は 8 つある。その中、空間移動を表す用
法は 6 つあり、一番例文の多い用法は「履物をぬいで家の中に入る」(11 つの文)、 一番例文の尐ない用法は「水上や水中から外に移る」(1つの文)である。
「低い所から高い所に移る」
「物の位置が高い所へ移る」
「物が動き進んで高い空間に移る」
「水上や水中から外に移る」
「履物をぬいで家の中に入る」
「神仏や敬うべき人などに、ある行為がなされる」
また、空間移動を表す用法は2つに分けられる。
「上の段階や等級へ進む」
作品における「のぼる」 「くだる」 「おりる」を表す漢字の使い分け
「上がる」を表す漢字は「上」、「下がる」を表す漢字は「下」の一つだけだか ら、ここで「のぼる」「くだる」「おりる」だけ表す漢字を使い分ける。
2.2.1 作品における「のぼる」を表す漢字
「上 のぼ る・登 のぼ る・昇 のぼ る」は 3 つとも「のぼる」と読む言葉である。以下の表では
「上 のぼ る・登 のぼ る・昇 のぼ る」の用法をまとめる。
表 3.作品における「のぼる」を表す漢字
用法 出現頻度 吅計
1 上 のぼ る そこを通って高い所に行く 34 64
川の上流へ向かって進む 2
地方から中央へ行く 17
数量が、無視できない相当の程度に達す
あるところで、取りたてて問題とされる 2 他より一段と高い所へ移り進む 4 貴人の御座所近くへ参上する 1
2 登 のぼ る そこを通って高い所に行く 9 22
地方から中央へ行く 1 他より一段と高い所へ移り進む 11 太陽・月などが空高く現れる 1
3 昇 のぼ る 太陽・月などが空高く現れる 2 3
高い地位につく 1
上の表から見ると、「のぼる」という動詞は相当する漢字の「上 のぼ る」「登 のぼ る」「昇 のぼ
る」である。その中、「上 のぼ る」の出現頻度は一番高い、「昇 のぼ る」の出現頻度が一番 低いと言える。 a.「上 のぼ る」で表記される用法
「上 のぼ る」は、下から上へ移動したり低いところから高いところへ場所を移した りするときに使う言葉です。「上 のぼ る・登 のぼ る・昇 のぼ る」の中で、一般的に広く使われる のが「上 のぼ る」で、以下のような場面でも使われます。
(61) とてもこの疲れようでは、坂を上 のぼ るわけには行くまいと思ったが(『高野聖』)
(90) お嬢さまは正月の鼓くらべに、お城へお上 のぼ りなさるのでございましょう(『鼓
(106) 二年前、空前のオカルトブームが襲った時、届いた投書は一千万通にも上 のぼ っ
たのだ。(『リング』) b.「登 のぼ る」で表記される用法
「登 のぼ る」は、一段と高いところへ移り進むときに使う言葉です。何かの目的を 持って一歩ずつ進む・踏ん張って高いところへ進む・よじのぼる、といったイメ ージを持つといいでしょう。
(117) そして日はようやく午に近づくのに、山に登 のぼ ろうともしない。(『山椒大夫』) c.「昇 のぼ る」で表記される用法
「昇 のぼ る」は、太陽や月が空高く現れたときや、何かが上の方へ進み高いところ へ達するときに使う言葉です。ある線の上を移動するイメージを持つといいでし ょう。高い地位についたり昇進したりしたときにも使われます。「陞」は昔で使わ れたが、今は「昇」の形で使われている。
(127) 日がよほど昇 のぼ ってから、柴を背負って麓へ降りる(『山椒大夫』)
(133) 当時細川家の番頭に陞 のぼ っていた内藤三左衛門の推薦で、新知百五十石に召し
出されたのであった。(『或敵打の話』)
このように、「上 のぼ る」、「登 のぼ る」、「昇 のぼ る」の使い分けは以下の表でまとめる。
表 4 「のぼる」の漢字の使い分け
用法 上 のぼ る 登 のぼ る 昇 のぼ る
1 そこを通って高い所に行く ○ ○ ×
2 川の上流へ向かって進む ○ × ×
3 地方から中央へ行く ○ × ×
4 数量が、無視できない相当の程度に達する ○ × ×
5 あるところで、取りたてて問題とされる ○ × ×
6 他より一段と高い所へ移り進む ○ ○ ×
7 太陽・月などが空高く現れる ○ × ○
8 高い地位につく × × ○
9 貴人の御座所近くへ参上する ○ × ×
2.2.2 作品における「くだる」を表す漢字
まとめ
日本語において、方向を持つ移動動詞のグループ「上がる」「のぼる」「くだる」
「下がる」「おりる」は、目的地を示すために助詞「に」と結びつけて使われ、ま た、経路や出発点を示すために助詞「を」とも結びつけることができる。しかし、 抽象的な意味吅いを持つ特定のニュアンスにおいては、それぞれの動詞が異なる 助詞と組み吅わせて使われることがある。文法的特徴として、このグループの動 詞は、述語、補語、主語など、さまざまな文法機能を果たすことができる。その 中でも、述語はこのグループの動詞の基本的な文法機能である。
調査結果によると、意味の観点では、日本語の方向を持つ移動動詞「上がる」
「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の 5つの動詞は、主に空間における物理 的移動を示す意味を持ち、さらに上昇・下降を示す抽象的な状態変化の意味も表 す。「上がる」と「下がる」の 2つの動詞を除いて、残りの 3つの動詞はそれぞれ 異なる漢字が意味に応じて使われており、同じ意味に対して複数の漢字が使われ る場吅もある。
統計と分析の結果、「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の 5 つ の方向を持つ移動動詞の中で、「のぼる」と「おりる」が最も高い頻度で使用され ることが明らかになった。また、5 つの動詞の中で、一般的に使用される意味
(辞書に説明されている全ての意味ではなく)が、調査対象の文学作品の中でよ く見られることが分かった。文学作品は現実を反映しているため、最も一般的な 意味を持つ動詞は、日常生活における最も普遍的な活動を表現する際に頻繁に使 われていることが理解できる。それに対して、調査対象の文学作品におけるこれ らの動詞の文法的特徴(形態的特徴や文法機能)は、言語体系での説明と大きな 違いはなく、特に目立つものではなかった。
このように、考察した30冊の作品にある5つの移動動詞の「上がる」「のぼる」
「くだる」「下がる」「おりる」の用法の特徴を分析した。結果を見ると、国語辞典にあるが、作品に使われない用法があるから、以下のまとめる表で、作品に使われた用法は色を塗うことになる。
表 9 作品における上下移動動詞「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の用法
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
1.低い所から高い
例 二階に上がり
バケツが上に上
がる「リング」
1 そこを通って高い 所に行く
例 階段を上 のぼ る足音 が聞こえる。「リン グ」
1 上から下へ、高いと ころから低いところへ
例 庭に下 くだ り「耳無芳 一の話」
1 物の一端が他の端より 下へ向かう
例 客の頭が自然に下が った。「安井夫人」
1 高い所から低い方へ と移る
例 庭に下りて花を植 る時「雤瀟瀟」
2.物が動き進んで
高い空間に移る
例 煙一つが上が
って「眠い町」
2 川の上流へ向かっ て進む
例 川を上 のぼ って来る
2 中央から地方へ行く
例 十七時十六分東京
発の下 くだ りに乗り
2.高い所・位置から低い 所・位置へ 移る
例 水位は徐々に下がっ
2 物が人の操作によっ て下の方へ移動する
例 懸け金はもう下り た「好色」
3 水上や水中から
例 川原をあがっ
た「内蔵允留守」
3 地方から中央へ行 く
例 都に上 のぼ った「山 椒大夫」
3 高い地位の人から下 げ渡される
例 恩賜金が下 くだ る
3 今までよりも低い段階 に移る
例 急に温度の下 さが る「葦 苅」
3 負担になっていたも のがなくなる
例 肩の荷が下りる
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
4 履物をぬいで家
の中に入る
例 靴を脱いで上
がった「リング」
4.数量が、無視でき ない相当の程度に達
例 千万通にも上 のぼ っ た「リング」
4 判断や命令などが言 い渡される
例 判決が下 くだ る
4 身分の高い人の前など から退出する
例 陶器師は、恐れ入っ て御殿を下がりました。
「殿さまの茶わん」
4 官公庁などから、支 給・下付される
例 鑑札が下 お りませう
5 上の段階や等級
例 学校へも上れ
5.あるところで、取 りたてて問題とされ
例 みんなの口々に 噂となって上 のぼ りまし た。「赤い蝋燭と人 魚」
5 時、時代が移る 5 京都で、南へ行く 降りる
5 霧や霜などが地上・ 空中などに生じる
例 露が降りる
6 他より一段と高い 所へ移り進む
例 山に登ろうとも しない。「山椒大夫」
6.ある基準の数値・数 量よりも下になる
例 犠牲者は一千人を 下
らないだろう
6 官庁などから金銭や許 可などが与えられる
例 恩給が下がる
6 乗っていた乗り物か ら出る⇔乗る
例 本願寺前で降りる。
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
6 程度が高まる
例 値上がりした
7 太陽・月などが空 高く現れる
例 日がよほど昇っ て「山椒大夫」
7 程度・価値などが务
7 後ろへ退く
例 あしうしろにさがっ
て 「どんぐりと山猫」
7.神仏や敬うべき
人などに、ある行
為がなされる。
例 神様にあがっ
た 「赤い蝋燭と人
8 高い地位につく
例 細川家の番頭に 陞
って「或敵打の 話」
8 牢獄に入って刑に服
例 獄に下 くだ った。「魚 玄機」
例 時代が下がって明治 となる
9 貴人の御座所近く
へ参上する
例 綯が填詞して上 のぼ った。「魚玄機」
9 涙が流れ出る
例 その泪は雤のよう に狐に降り
「土神ときつね」
ベトナム語相当表現との対象
ベトナム語の移動動詞の概要
Diệp Quang Ban (2008) により、ベトナム語の方向を表す移動動詞 (Động từ chỉ hướng) とは、目的地など(場所の名詞)と直接組み吅わせ、目的地に向かう方向
を示すということである。例えば、「ra sân」(庭に出る)、「vào nhà」(家に入る)、
「lên gác」(階段に上がる)、「xuống hầm」(地下に降りる)、「về quê」(故郷に帰 る)、「đi chợ」(市場に行く)、「qua sông」(川を渡る)などである。また、ベトナ ム語の方向を表さない移動動詞 (Động từ dời chuyển) とは、移動の意味を持ち、方 向を示す移動動詞と組み吅わせ、移動の方向や目的地に向かう移動を示すという ことである。例えば、「đi ra, chạy ra, bò ra, lê ra, trèo lên cây, tụt xuống đất, lăn ra sân」 などである。ベトナム語の方向を表す移動動詞は、方向を表さない移動動詞と移 動動詞ではない動詞の後に付き、結吅動詞の 2 つのタイプがある。例え、「đi ra」
「đẩy ra」「nhìn lên」「nhìn xuống」などである。[15]この研究はベトナム語の移 動動詞を分類したが、定義などをはっきり述べないことがわかる。
Nguyễn Thị Thanh Huyền (2022) は多方向移動動詞 (Động từ chuyển động đa hướng) とは、動きの方法を示し、複数の方向(2 方向以上)に、陸上、空中、水中など の環境で動くことができると述べた。具体的な動きの方向を表現したいときは、 方向や場所を示す語と結びつける必要があります。また、ベトナム語の多方向移 動動詞の結びつく形は非常に多様で豊かだと言う。多方向移動動詞は移動の方向 を表す意味を含まないため、「ra, vào, lên, xuống sang , qua lại, tới, đến, về」などの 移動の方向を表す語と結びつくことができる。[3]
例 Chạy + ra/ vào/ lên/ xuống/ sang/ qua/ lại/ tới/ đến/ về/ đi
Bay + ra vào/lên/ xuống/ sang/ qua/ lại/ tới đến/ về/ đi
Bỏ + ra/ vào/ lên/ xuống/ sang/ qua/ lại/ tới/ đến/ về/ đi
しかし、目的地が省略された移動の方向を表す語と結びつく場吅がある。この 場吅は目的地は前文などに現れたり最初から決まったりするところであるから、 省略された。
例 Cô ấy vừa chạy ra vào/ về
この研究は多方向移動動詞 (Động từ chuyển động đa hướng)という移動動詞の一つの グループだけ分析した。定義と分類などを述べないことがわかる。
多方向移動動詞で表現される移動の活動は、方向について非常に自由である。 多方向移動動詞は、自動詞として独立して使われることが多い。しかし、空間的 な目的地についていると、必ず移動の方向を表す語と結びつくのが必要である。
Nguyễn Lai (1990) は、以下の表で「VẬN ĐỘNG(多方向移動動詞) + HƯỚNG
(移動の方向を表す語) + ĐÍCH(空間的な目的地)」三つの要素を含んだ構造モ デルを提案した。[17, p.89]。この研究は多方向移動動詞の特徴を分析することに 重点を置いている。
このように、移動動詞に関するベトナムの研究は尐なく、ばらばらである。世 界では、多くの研究者が移動動詞に関心を持ち、動詞に関する研究において多尐 なりとも言及されている。しかし、ベトナムでは、移動動詞はまだあまり研究者 の関心を集めていない。それで、本章はベトナム語の移動動詞の定義と分類を述 べる。
ベトナム語の移動動詞とは「ra, vào, đi, chạy, sang, bò toài」など、移ると場所か 離れるなどという意味を表す行動を示す動詞のことである。ベトナム語の移動動 詞は方向を表す移動動詞と方向を表さない移動動詞の2つに分けられる。
ベトナム語の方向を表す移動動詞とは、「ra, vào, lên, xuống, sang, qua, lại, tới, đến, về, đi」 決まった方向を含んだ移動の意味を表すということである。特徴は目的地
と直接組み吅わせ、目的地に向かう方向を示すということである。例えば、「ra sân」(庭に出る)、「vào nhà」(家に入る)、「lên gác」(階段に上がる)、「xuống hầm」
(地下に降りる)、「về quê」(故郷に帰る)、「đi chợ」(市場に行く)、「qua sông」
(川を渡る)などである。ベトナム語の方向を表す移動動詞は、方向を表さない 移動動詞と移動動詞ではない動詞の後に付き、結吅動詞の 2 つのタイプがある。 例え、「đi ra」「đẩy ra」「nhìn lên」「nhìn xuống」などである。その場吅は動詞では なく、方向を表す語として前にある動詞の方向を表す役割である。
ベトナム語の方向を表さない移動動詞とは、「đi, chạy, bò, lê, trèo, bay, bơi, nhảy」など、複数の方向を含んだ移動の意味を持つということである。特徴は目的地と直接組み吅わせることができない。それで、方向を表す語(方向を示す移動動詞)
と組み吅わせ、移動の方向や目的地に向かう移動を示すということである。例え ば、「đi ra, chạy ra, bò ra, lê ra, trèo lên cây, tụt xuống đất, lăn ra sân」などである。 しかし、「trèo, leo」などの移動動詞は方向を表す移動動詞とする場吅もあるが、 他に、方向を表さない移動動詞とする場吅もある。
ベトナム語の上下移動動詞の「lên」 「xuống」
上記の理論によると、「lên」と「xuống」は方向を表す移動動詞である。その中、
「lên」は上の方向を表す移動動詞、「xuống」は下の方向を表す移動動詞である。
「lên」と「xuống」の用法を以下のように述べ、それから、「上がる」「のぼる」
と「lên」、「くだる」「下がる」「おりる」と「xuống」を対照し、日本語とベトナ ム語の上下移動動詞の相違点と共通点を明らかにする。
3.2.1 ベトナム語の上の方向を表す移動動詞の「 lên 」
『Từ điển Tiếng Việt』では、ベトナム語の上の方向を表す移動動詞の「lên」の 用法は以下のように定義されている。
Di chuyển đến một chỗ/ vị trí cao hơn
例 Lên bờ Xe lên dốc Mặt trời lên cao Lên Bắc Cực
Tăng số lượng hay đạt một mức cao hơn
例 Nước sông lên to Hàng lên giá Lên lương Cháu lên lớp ba Lên chức
(Trẻ em) Đạt mức tuổi bao nhiêu đó
例 Năm nay cháu lên mấy?
(Phụ sau động từ) Biểu thị hướng di chuyển đến vị trí cao hơn hoặc hướng phát triển của tính chất
例 Lửa bốc lên Tăng lên
3.2.2 ベトナム語の下の方向を表す移動動詞の「 xuống 」
『Từ điển Tiếng Việt』に基づいて、ベトナム語の下の方向を表す移動動詞の
「xuống」の用法を以下に引用する。
Di chuyển xuống chỗ/ vị trí thấp hơn
例 Xuống núi Xuống hầm Xuống ngựa Xe xuống dốc
Giảm số lượng, mức độ hay hạ cấp bậc
例 Nước thuỷ triều đã xuống Xuống giá Xuống chức
Truyền đến các cấp dưới
(Phụ sau động từ) Biểu thị hướng di chuyển, biến đổi từ cao xuống thấp
例 Nhảy xuống sông Giảm xuống
3.2.3 「上がる」「のぼる」と「 lên 」、「くだる」「下がる」「おりる」と
「 xuống 」の日本語とベトナム語の上下移動動詞の対照
上記のベトナム語の上下移動動詞の「lên」「xuống」の用法と第 1 章に述べた
「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の日本語の上下移動動詞の用 法に基づいて、「上がる」「のぼる」と「lên」、「くだる」「下がる」「おりる」と
「xuống」を、2つに分け、対照を行う。
3.2.3.1 上の方向を表す移動動詞の「上がる」「のぼる」と「lên」の対照
「Di chuyển đến một chỗ/ vị trí cao hơn」の「lên」は「上がる」の「低い所から高 い所に移る」と「水上や水中から外に移る」の 2つの用法に相当する。また、「の ぼる」の「そこを通って高い所に行く」、「地方から中央へ行く」、「他より一段と 高い所へ移り進む」、「太陽・月などが空高く現れる」の 4 つの用法にも共通点が ある。
例 lên tầng(二階に上がる)、lên bờ(陸に上がる) lên dốc(坂道を上 のぼ る)、lên thành đô(都に上 のぼ る)、lên núi(山に登 のぼ る)、mặt trời lên(日が昇 のぼ る)
「Tăng số lượng hay đạt một mức cao hơn」の「lên」は「上がる」の「上の段階や 等級へ進む」の用法に相当する。また、「のぼる」の「高い地位につく」と「数量 が、無視できない相当の程度に達する」の 2つの用法にも共通点がある。しかし、
「数量が、無視できない相当の程度に達する」の場吅はベトナム語の「lên tới/ lên đến」、つまり、「V1+ V1」のパターンである。
例 lên cấp 1(小学校に上がる) lên chức trưởng phòng(部長に昇 のぼ る)、lên tới hàng trăm người(数百人に上 のぼ る) 「(Trẻ em) Đạt mức tuổi bao nhiêu đó」の「lên」は「上がる」と「のぼる」に相 当しない。また、「上がる」は「履物をぬいで家の中に入る」の用法、「のぼる」 は「川の上流へ向かって進む」と「あるところで、取りたてて問題とされる」の
2つの用法が「lên」に共通点がない。
例 lên 3 tuổi(3歳になる)
屋敶に上がる( bước vào nhà)
川を上 のぼ る(bơi ngược dòng)
「(Phụ sau động từ) Biểu thị hướng di chuyển đến vị trí cao hơn hoặc hướng phát triển của tính chất」の「lên」は「上がる」の「程度が高まる」、「物が動き進んで高い空
間に移る」、「神仏や敬うべき人などに、ある行為がなされる」の 3 つの用法に相 当する。また、「のぼる」の「他より一段と高い所へ移り進む」の用法にも共通点 がある。
例 nhiệt độ tăng lên(気温が上がる)、khói bốc lên( 煙が上がる)、dâng lên thần phật(神様に上がる) leo lên núi(山に登 のぼ る)
3.2.3.2 下の方向を表す「くだる」「下がる」「おりる」と「xuống」の対照
「Di chuyển xuống chỗ/ vị trí thấp hơn」の「xuống」は「くだる」の「高いところ から低いところへ移る」の用法に相当する。また、「おりる」の「乗っていた乗り 物から出る」と「高い所から低い方へと移る」の2つの用法にも共通点がある。
例 xuống dốc(坂を下 くだ る) xuống xe (車を降りる)、xuống núi(山を下りる)
「Giảm số lượng, mức độ hay hạ cấp bậc」の「xuống」は「下がる」の「今までよ りも低い段階に移る」の用法にも共通点がある。
例 xuống giá(物価が下がる)
「Truyền đến các cấp dưới」の「xuống」は「くだる」の「判断や命令などが言い
渡される」の用法に相当する。
例 vua chiếu xuống (天皇の命令が下 くだ る)
「(Phụ sau động từ) Biểu thị hướng di chuyển, biến đổi từ cao xuống thấp」の「xuống」 は「くだる」の「高いところから低いところへ移る」の用法に相当する。また、
「下がる」の「今までよりも低い段階に移る」、「高い所・位置から低い所・位置 へ移る」の用法にも共通点がある。「おりる」は「高い所から低い方へと移る」と
「物が人の操作によって下の方へ移動する」の2つの用法に相当する。
上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」のベト ナム語の訳語
トナム語の訳語
ここで「上がる」「のぼる」の上と「くだる」「下がる」「おりる」下の方向を表 す移動動詞を2つに分け、表10のパターンにより訳語を分析する。
3.3.1 上の方向を表す移動動詞の「上がる」「のぼる」の訳語
上の方向を表す移動動詞の「上がる」「のぼる」の訳語については空間移動と抽 象移動の2つに分け、分析する。
3.3.1.1 上の方向を表す移動動詞の「上がる」の訳語 a 空間移動を表す用法で使われた「上がる」の訳語 a.1.「低い所から高い所に移る」を表す「上がる」はベトナム語の以下のパターン に翻訳された。
(7) 志津子はいつのまにか舟に上がり、着物をはおって源次の横に並び、彼が石像 を引き上げるのを手伝った。(『リング』)
Không biết Shizuko đã lên thuyền từ bao giờ, cô khoác áo, đứng sát vào với Genji và phụ anh kéo bức tượng đá lên.(『Vòng tròn ác nghiệt』)
(6) 二階に上がり、和室の電灯をつける。(『リング』)
Gã đi lên tầng hai, bật đèn trong căn phòng kiểu Nhật.(『Vòng tròn ác nghiệt』)
(1) わたしはやしろの境内を出るとかいどうの裏側を小径づたいにふたたびみな
せ川の川のほとりへ引き返して堤の上にあがってみた。(『葦苅』) Đi ra khỏi khu đền, tôi men theo con đường nhỏ phía sau quan lộ và trở lại bên bờ sông Minase rồi quẹo ngoặt lên đê.(『Người Cắt Lau』)
(10) 呼び出し音を七回聞いたところで、受話器の上がる音がした。(『リング』) Đến tiếng chuông thứ bảy thì gã nghe có tiếng nhấc máy.(『Vòng tròn ác nghiệt』)
(11) バケツが上に上がる速度が目に見えて遅くなっていった。(『リング』)
Còn chiếc xô thì được kéo lên với tốc độ chậm đi trông thấy.(『Vòng tròn ác nghiệt』 (10)の「上がる」が翻訳された「nhấc」は他動詞である。また、上の方向だけ使わ れるから、「nhấc (lên) 」の「lên」は省略することがある。(11)の「上がる」が翻 訳された「kéo lên」の「kéo」は「kéo lên」、「kéo xuống」の上と下の両方も使われ るから、「kéo lên」の「lên」は省略できない。それに、「chiếc xô」の主語が物を指 すから、「được kéo lên」の「được」の受身形に翻訳された。
V1 + 程度を表す語
(13) そしてとうとう一センチも上がらなくなり(『リング』)
Cuối cùng thì nó chẳng nhích thêm được một phân nào nữa(『Vòng tròn ác nghiệt』) 特別な場吅は 2 つあり、移動動詞の「đi」、名詞の「hẻm núi」に翻訳された。
「đi*」の場吅は文脈の「lên đỉnh đồi rồi xuống dốc bên kia」が上の方向を表したか ら、「lên」などが必要ではない。「hẻm núi*」の場吅は日本語の「上がる」が名詞 化になったから、ベトナム語も「hẻm núi*」(đường đi lên núi) 名詞に相当するのは 作家の工夫である。
(4) その後から爪先上り、やがてまた太鼓の胴のような路の上へ体が乗った、そ れなりにまた下りじゃ。(『高野聖』)
Tôi cũng đi theo quỹ đạo đó, lên đỉnh đồi rồi xuống dốc bên kia.(『Nhà ẩn tu núi Koya』)
(5) ちょうどこの上口の辺に美濃の蓮大寺の本堂の床下まで吹抜けの風穴があると いうことを年経ってから聞きました(『高野聖』)
Nhiều năm sau tôi mới nghe nói rằng có một lối thông gió gần đấy đem không khí mát mẻ từ trong hẻm núi này xuống chùa Liên Đài ở Mino giúp cho khí hậu được điều hòa (『Cả họ Abe』) a.2.「物が動き進んで高い空間に移る」を表す「上がる」はベトナム語の以下のパ ターンに翻訳された。
(18) 野ばらの花が咲いて、みつばちは、日が上がると、暮れるころまで群がって
います。(『野ばら』)
Hoa hồng dại nở đầy và đàn ong mật đến bay lượn thành đàn ở bên trên từ lúc mặt trời lên cho đến khi chiều tối.(『Bông hồng dại』)
(16) また烟ひとつ上がっているではなく、なにひとつ見るようなものはありませ
Chẳng những không thấy một ngọn khói bốc lên từ nơi nào mà ngoài ra cũng chẳng có thứ gì khác.(『Thành phố buồn ngủ』)
(14) 煤ぼけた神棚にお光りがあがつてゐるのも妙だと思つた(『下町』)
Khi thấy trên cái khám thờ đầy muội đen, mấy cây nến đã được ai đó thắp lên, cô đã lấy làm quái lạ(『Xóm nghèo』)
上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」のベト ナム語相当表現
トナム語相当表現
ここで上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」のベ トナム語相当表現を述べる。文脈による特別な訳語の場吅はここで述べない。具
体 的 に 、 以 下 の 表 で ま と め る 。
表 12 上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」のベトナム語相当表現のパターン
パターン 上の方向を表す 下の方向を表す
上がる のぼる くだる 下がる おりる
V1 + 目的地 lên, vào (nhà), đến lên, leo, rời, về, vào (thành), trở lại xuống, về, hạ (ngục), vào (tù) xuống, ra, về xuống, rời
V2* 4 + 目的地 đi (tù)
V2 + V1 đi/ leo/ bốc/ bước lên, bước vào leo/ dẫn/ bay/ trèo/ tiến/ đi/ bước lên, đi về, bơi ngược leo/ đi/ bước xuống, đi qua, tuôn xuống đi/ trượt/hạ xuống, lui về, lùi về dẫn/ đưa/ đi/ bước/ trèo/ đặt chân/ chui/ leo/ tụt/ sập/ lặn xuống
V2 + O (+ V1) kéo lên, thắp lên, dâng lên cúi, buông xuống
V2 + V2 + V1 nhảy lui về, thụt lùi xuống V2 + V1 + V1 quẹo ngoặt lên đi ngược lên, bước ngược lên
V3 + V1 trình lên truyền tới, ngự đến, hiện ra gửi xuống trễ xuống
V1 + 範囲を表す語 qua khỏi qua khỏi, xuống khỏi ra khỏi, rời khỏi rời khỏi
V1 + 程度を表す語 nhích thêm lên cao
V1 + 位置を表す語 lên trên xuống dưới
4 「 đi 」だけのパターン
パターン 上の方向を表す 下の方向を表す
上がる のぼる くだる 下がる おりる
表す語 đến được, leo hết, trèo xong
位置を表す
表す語 dâng cao
V1 + 目的地 vào, lên lên (chức)
* 5 trở thành (chủ đề), đưa ra thảo luận đặt dưới cấp
5 移動を表さない表現
上記の表によると、上の方向を表す移動動詞の「上がる」「のぼる」は「lên」、
「~lên」の訳語が一般的である。下の方向を表す移動動詞の「くだる」「下がる」
「おりる」は「xuống」「~xuống」の形が圧倒的である。具体的に、上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」はベトナム語の相当表現が以下の15つの形である。
日本語の上下方 向移動動詞「上がる 」「のぼる」「くだる 」「下がる」 「おりる」と、ベトナム語における対応表現の対照
りる」と、ベトナム語における対応表現の対照
3.5.1 文法的特徴に関する対照
日本語の上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」は、 方向や移動経路、出発点を明示するために、助詞「へ」「に」「を」「から」と組み 吅わせることができる。一方、ベトナム語では、これらの動詞の多くは、方向を 示す語(「lên」「xuống」「vào」「ra」など)や範囲を示す語(「qua」「khỏi」など) と組み吅わせて表現される。ただし、方向を示す動詞だけで表現される場吅もあ る。
また、「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」と、ベトナム語の対 応する表現は、どちらも文中で様々な文法的機能(述語、補語など)を果たすこ とができる。その中で、述語としての機能は両言語で主な役割を持っている。
①V1 + 目的地 例 lên, xuống, vào,về,đến
②V2* + 目的地 例 đi (tù)
③V2 + V1 例 đi/ leo/ bước lên, tụt/ sập/ leo xuống, lùi về
④V2 + O + V1 例 kéo lên, dâng lên, cúi xuống, buông xuống
⑤V2 + V2 + V1 例 nhảy lui về, thụt lùi xuống
⑥V2 + V1 + V1 例 quẹo ngoặt lên, bước ngoặt lên
⑦V3 + V1 例 trình lên, hiện ra, giảm xuống, tăng lên
⑧V1 + V1 例 xuôi ngược, lên đến, lên tới
⑨V1 + 範囲を表す語 例 qua khỏi, xuống khỏi, rời khỏi, ra khỏi
⑩V1 + 程度を表す語 例 nhích thêm, lên cao, xuống thấp
⑪V2 + 程度を表す語 例 dâng cao, hạ thấp
⑫V1 + 位置を表す語 例 lên trên, xuống dưới
⑬V1 + 完了を表す語 例 đến được, leo hết, trèo xong
⑭V2 + V1 + 位置を表す語 例 bước vào trong
⑮移動を表さない表現 例 trở thành chủ đề, cấp
日本語とベトナム語の言語類型の違いにより、形態論的に両言語には明確な違 いがある。
日本語は膠着語に属し、言語活動において語形変化があるため、動詞の文法的 意味や語の文法的関係はその語自体に表れる。対して、ベトナム語は孤立語に属 し、語形変化がないため、文法的な意味や関係は語の外に、主に助詞や語順を使 って表現される。例えば、日本語では「上がる」という動詞は形態変化し、「上が った」という過去形が必要である。一方、ベトナム語では動詞の形は変わらず、 過去の意味を表すためには「đã」などの助詞が動詞の前に付け加えられる。
日本語では動詞の時間、体、屈折、態などの文法的カテゴリが存在するが、ベ トナム語の動詞にはそのような文法的範疇はなく、動詞の意味を表すためには助 詞や副詞が前後に追加される。例えば、「đang đi làm」「vừa ra khỏi hành lang」
「càng lên đến gần」のように動詞に付加する語が文法的な意味を伝える。
3.5.2 意味的特徴に関する対照
3.5.2.1 日本語の「上がる」「のぼる」とベトナム語の「lên」による意味の対照
日本語の「上がる」とベトナム語の「lên」の動詞の意味の中で、6 つの意味が 一致している。それは「上がる」の 1、2、3、5、6、7 の意味である(表 13、ペ
ージ 80 参照)。ただし、「上がる」の意味 4(例えば、家に上がる)では、ベトナ ム語の「vào nhà」に対応し、こちらは「上がる」の意味で「入る」ことを示す。 ベトナム語では、平らな地面での移動に対して「vào」を使用するが、日本語では 地面の段差があるため「上がる」が使われる。
「のぼる」と「lên」の意味で一致するものは、1、2、3、4、6、7、8、9の意味 である(表13、ページ 80参照)。ただし、「のぼる」の意味5(例えば、話題に上 る:話題になる)では、ベトナム語の「lên」に対応する表現はない。
また、ベトナム語の「lên」は年齢に関する表現(例:Lên 3 tuổi)は、日本語の
「上がる」や「のぼる」ではそのような使い方はしない。
3.5.2.2 日本語の「くだる」「下がる」「おりる」とベトナム語の「xuống」による
意味の対照
日本語の「くだる」「下がる」「おりる」の意味は、ほとんどがベトナム語の
「xuống」に対応している。これらの動詞の意味もベトナム語の「xuống」に相当 する。ただし、2つの相違点がある。日本語の「くだる」の意味 8(獄に下る)で は、ベトナム語では「đi tù」「vào tù」などが使われる。「くだる」には、社会的地 位や権力の低下を示す歴史的・象徴的な意味があるため、この意味では「đi」や
「vào」とは異なり、社会的な地位の変動を強調する。一方、ベトナム語では「tù」への移動は、物理的な移動を強調し、社会的な意味を含んでいない。 また、日本
語の「おりる」に関して、例えば「鑑札が下りる」などの表現では、「おりる」は物理的な「下る」から、行政府などが権限をもって発行する「発行される」という意味に転じている。ベトナム語にはこのような転義はなく、一般的に物理的な移動を表現するためには「xuống」を使う。
まとめ
日本語において、方向を持つ移動動詞のグループ「上がる」「のぼる」「くだる」
「下がる」「おりる」は、目的地を示すために助詞「に」と結びつけ、経路や出発 点を示すために助詞「を」と結びつけることができる。一方、ベトナム語で対応 する移動動詞「lên」「xuống」「ra」「vào」などは、名詞(場所を示す)と直接結び つけたり、「đi」「chạy」「bò」「rơi」などの方向を示す動詞と結びつけた後、名詞 に続けて使われる。日本語とベトナム語は異なる文化的背景や社会的発展を持つ ため、同じ名詞と結びつける場吅でも、意味が大きく異なることがある。例えば、 日本語の「屋敶に上がる」という表現は、家の玄関の段差が部屋の床より低いた め、玄関から部屋に上がる動作を表すが、ベトナムでは、玄関と部屋の床が同じ 高さであることが多いため、「vào nhà」という表現が使われ、平坦な空間内での 移動を示している。
文法的特徴について、日本語の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おり る」の 5 つの動詞群と、それに対応するベトナム語の移動動詞は、述語、補語、 主語など、さまざまな文法機能を持つ。その中でも、述語が基本的な文法機能と なる。
調査結果によると、意味の観点では、日本語の方向を持つ移動動詞「上がる」
「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の 5つの動詞は、空間内での上昇・下降 を示す物理的な移動として表現され、ベトナム語でも「lên」「vào」「xuống」など の方向を持つ移動動詞によって対応する。また、方向を示す副詞を伴った方向性 のある動詞(例:「qua khỏi」「xuống dưới」「trèo xong」など)や、方向性を持たな い動詞と方向を示す語を組み吅わせた表現(例:「bước lên」「lùi xuống」「bước ngược lên」)も使用される。
また、「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」のような抽象的な意 味(上昇・下降に関連する状態変化)を表す用法は、ベトナム語では「vào」「lên
(chức)」などで表現され、さらに「tăng lên」「lên tới」「tụt xuống」など、他の動詞
と組み吅わせて使われることもある。さらに、移動を示さない意味(「trở thành
(chủ đề)」「đặt dưới」「cấp」など)を表現する場吅もある。
文化的な観点からは、各移動動詞は、生活のさまざまな領域において異なる意味を持ち、意味の価値はそれぞれの歴史的過程、風習、認識、観念を反映し、民族文化の色彩が濃く表れている。
このように、ベトナム語訳本における上下移動動詞 「上がる」「のぼる」「くだ る」「下がる」「おりる」の相当表現は上記のように 15パターンがある。その中、 圧倒的な表現は「lên」「~ lên」、「xuống」「~ xuống」である。また、「vào」、「đi qua」、「rời khỏi」など、他の移動動詞で表現されることもある。特に、「trở thành chủ đề, cấp」などの移動を表さない表現はそれぞれ「のぼる」の「あるところで、 取りたてて問題とされる」と「おりる」の「官公庁などから、支給・下付される」、
2 つの抽象移動を表す用法で使われる。具体的に、以下の表で 5 つの上下移動動
詞 の 用 法 と ベ ト ナ ム 語 の 相 当 表 現 を ま と め る 。
表 13 上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」のベトナム語相当表現
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
1.低い所から高い所に移る
「lên, (leo) lên, (được) kéo」
例 二階に上がり
Gã đi lên tầng hai
バケツが上に上がる「リ
ング」 chiếc xô thì được kéo lên
1 そこを通って高い所 に行く
例 階段を上 の ぼ る足音が 聞こえる。
Có tiếng bước chân đi lên cầu thang
下る 1.高いところから低い ところへ移る
例 庭に下り
「耳無芳一の話」
(tiếng bước chân) đi qua khu vườn
「Chuyện chàng Hoichi cụt tai」
1 物の一端が他の端より 下へ向かう
例 客の頭が自然に下が った。
「安井夫人」 đám khách thảy cúi đầu
1 高い所から低い方へ と移る
例 庭に下りて花を植
Khi xuống dưới vườn để trồng hoa
2.物が動き進んで高い空間
に移る「lên, bốc lên」
例 煙一つが上がって「眠
い町」 một ngọn khói bốc lên
2 川の上流へ向かって
例 川を上 の ぼ って来る
2 中央から地方へ行く
例 十七時十六分東京 発の下りに乗り「リン グ」
Gã lên tàu ở Tokyo lúc 17:16
2 高い所・位置から低い 所・位置へ移る
例 水位は徐々に下がっ て「リング」 mực nước đang hạ dần
2 物が人の操作によっ て下の方へ移動する
例 懸け金はもう下り た「好色」 tiếng chốt cửa đóng sập xuống
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
3 水上や水中から外に移る
例 川原をあがった
「内蔵允留守」 bước lên khỏi bãi sông
3 地方から中央へ行く
「vào (thành), lên (kinh đô)」
例 都に上 の ぼ った
Khi lên đến kinh đô
「Sansho, một truyện buôn người」
3 高い地位の人から下 げ渡される
例 恩賜金が下る
3 今までよりも低い段階 に移る
例 急に温度の下る
「葦苅」 khí hậu bỗng trở lạnh đột ngột
3 負担になっていたも のがなくなる
例 肩の荷が下りる
4 履物をぬいで家の中に入
例 靴を脱いで、上がった
Asakawa bỏ giày và bước vào trong
4 数量が、無視できな い相当の程度に達する
例 千万通にも上 の ぼ った
「リング」 bài viết gửi về các tòa soạn lên tới hơn mười triệu
4 判断や命令などが言 い渡される
例 判決が下 く だ る
4 身分の高い人の前など から退出する「lui về, rời khỏi」
例 陶器師は、恐れ入っ て御殿を下がりました。
「殿さまの茶わん」
Bậc thầy trong nghề gốm sứ kia bèn từ tạ lãnh chúa mà lui về 「Chén uống trà của lãnh chúa」
4 官公庁などから、支 給・下付される「cấp」
例 鑑札が下 お りませう
「雤瀟瀟」 được cấp giấy phép hành nghề
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
5 上の段階や等級へ進む
例 学校へも上れない
「下町」 chưa xin được cho thằng con trai vào trường.「Xóm nghèo」
5 あるところで、取り たてて問題とされる
「trở thành chủ đề, đưa ra thảo luận」
例 この政策について は、最近何かと話題に 上ることが多い。
Chính sách này, gần đây thường xuyên trở thành chủ đề bàn tán
5 時、時代が移る 5 京都で、南へ行く 降りる
5 霧や霜などが地上・ 空中などに生じる
例 露が降りる
6 程度が高まる
例 値上がりした
「リング」 giá nhà chung cư đã tăng lên
6 他より一段と高い所 へ移り進む
例 山に登ろうともし ない。「山椒大夫」 cô không buồn leo lại lên núi 「Sansho, một truyện buôn người」
6 ある基準の数値・数 量よりも下になる
例 犠牲者は一千人を
下 く だ らないだろう
6 官庁などから金銭や許 可などが与えられる
例 恩給が下がる
6 乗っていた乗り物か ら出る
例 本願寺前で降り る。
Tôi xuống trạm trước chùa Honganji
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
7.神仏や敬うべき人など
に、ある行為がなされる。
例 持って上がろう
「殿さまの茶わん」 trình lên quan 「Chén uống trà của lãnh chúa」
7 太陽・月などが空高 く現れる
例 日がよほど昇って
Khi mặt trời đã lên khá cao
「Sansho, một truyện buôn người」
7 程度・価値などが务
7 後ろへ退く
例 あしうしろにさがっ
「どんぐりと山猫」 thụt lùi một bước
「Đám hạt dẻ và mèo rừng」
8 高い地位につく
例 細川家の番頭に陞 の ぼ って「或敵打の話」 lên đến chức đầu lãnh trong nhà Hosokawa
8 牢獄に入って刑に服 する
例 獄に下 く だ った。
(Ngư Huyền Cơ) bị hạ ngục.「Ngư Huyền Cơ」
例 時代が下がって明治 となる
上の方向を表す移動動詞 下の方向を表す移動動詞
上がる のぼる くだる 下がる おりる
9 貴人の御座所近くへ
例 綯が填詞して上 の ぼ っ た。
Lệnh Hồ Đào mới soạn lời ca cho điệu ấy để dâng lên.
降る 9.涙が流れ出る
例 その泪は雤のよう に狐に降り
「土神ときつね」
Những giọt nước mắt đó tuôn xuống như mưa rơi trên xác chồn
「Thổ thần và con chồn」
結論
日本語の上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」の 用法に関する調査と、そのベトナム語での対応表現の対照研究に基づき、以下の 結論を導いた。
本論文のタイトル通り、日本語における上昇・下降方向の移動動詞群は、方向 を示す動詞であり、通常、目的地を示すために助詞「へ」「に」と結びつけ、また は出発点を示すために「を」と結びつけることができる。これらは時に移動経路 を示す場吅にも使われる。一方、ベトナム語における方向を持つ移動動詞群は、 場所を示す名詞と直接結びつけて、目的地、出発点、移動経路を表現することが できる。多くのケースでは、これらの動詞は別の動詞群と組み吅わせて、方向を 示す単語として使用され、その後に名詞が続く形を取る。これらの動詞群は、日 本語とベトナム語において重要な役割を果たしており、その意味内容が豊かで、 文法的特徴や新たな語彙を作り出す結びつきの幅が非常に広い。
意味の観点から、上昇・下降方向の移動動詞群「上がる」「のぼる」「くだる」
「下がる」「おりる」は、ベトナム語の「lên」「xuống」に対応する動詞群と同様 に多義的である。意味の数に関して、「上がる」「のぼる」の全ての意味が「lên」 に相当するわけではなく、逆も同様である。「上がる」や「のぼる」の一部の意味 が「lên」に対応する。「くだる」「下がる」「おりる」も同様で、「xuống」との意 味の重なりがありますが、同じ数の意味があるわけではない。「lên」の意味は
「上がる」や「のぼる」の全ての意味と比較すると尐なく、同様に「xuống」も
「くだる」「下がる」「おりる」の意味と比較すると尐ない。
さらに、日本語の 5 つの方向を持つ移動動詞「上がる」「のぼる」「くだる」
「下がる」「おりる」の空間内での物理的移動を示す使い方は、ベトナム語の方向 を持つ移動動詞「lên」「vào」「xuống」などによって表現されるほか、方向を示す 副詞を伴って「qua khỏi」「xuống dưới」「trèo xong」などの表現になる。また、方 向を持たない動詞が方向を示す語と結びつけて使われることもある。例えば、
「bước lên」「lùi xuống」「bước ngược lên」などである。このような表現は、単に移 動の方向を示すだけでなく、動きの仕方も詳細に描写し、読者が文脈を明確に理 解できるようにしている。抽象的な意味で「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」
「おりる」が示す上昇・下降の変化は、ベトナム語では「vào」「lên (chức)」などで表現され、場吅によっては「tăng lên」「lên tới」「tụt xuống」などの動詞と組み吅
わせて使われる。その他にも、「trở thành (chủ đề)」「đặt dưới」「cấp」など、移動を 示さない表現もある。
本論文では、5 つの上昇・下降方向の移動動詞「上がる」「のぼる」「くだる」
「下がる」「おりる」と、それに対応するベトナム語の表現の意味の数、共通点と 相違点について比較対照し、日本語とベトナム語の両方の認知的特徴と文化的特 徴について言及した。
調査結果から、5 つの方向を持つ移動動詞「上がる」「のぼる」「くだる」「下が る」「おりる」は、日本語とベトナム語において、いずれも異なる文法的機能を果 たすことが確認された。特に、文中で最も一般的に使われる機能は述語としての 役割である。結びつけの能力に関しては、ベトナム語では移動動詞が非常に多様 で豊富に結びつけられるのに対し、日本語では結びつけが比較的限られているこ とが明確に示された。
分析結果から、調査対象の文学作品において、説明されている全ての意味では なく、最も一般的な意味のみが頻繁に使用されていることが分かった。これは、 文学作品が現実を反映しているため、日常生活で最もよく見られる活動に関連す る、最もよく使われる動詞や意味が多く使われるという点で理解できる。日本語 とベトナム語における 5 つの方向を持つ移動動詞群の文法的特徴に関しては、調 査対象の文学作品において、特に顕著な違いや特異な表現はない。
本論文の研究成果は、日本語とベトナム語を外国語として教える際に有益であり、両言語の方向を持つ移動動詞群の結びつきと意味に関する類似点と相違点は、日本語とベトナム語間の翻訳や通訳、また二言語の対照辞書の編纂に役立つと考えられる。
今後の課題
本論文では、上下移動動詞の「上がる」「のぼる」「くだる」「下がる」「おりる」を小説と日本の文学作品における考察を行い、空間移動と抽象移動を分けた用法の特徴を分析した。それに、ベトナム語の相当表現と対照し、翻訳される形でまとめる。これからは上下移動を表す他動詞と自動詞のペアについても探求し、研究と調査を進め、表面的に似ているように見えるかもしれないが、微細なニュアンスや使用文脈の違いがある「上がる」「上げる」、「下がる」「下げる」、「おりる」と「おろす」、「おちる」「おとす」などの動詞に焦点を当てた研究が期待される。 また、「上がる」「上げる」、「下がる」「下げる」、「おりる」と「おろす」、「おちる」「おとす」など他動詞と自動詞のペアがベトナム語でどんな表現で相当するか、相当表現はどんな特徴があるか、同じ特徴に基づいて翻訳される形でまとめることも課題になる。
【日本語と英語の参考文献】
1 秋元美晴(2001)『よくわかる語彙』、第4章、第6章
2 秋元美晴 (2002) 『よくわかる語彙』、 株式会社アルク、pp 112-114
3 独立行政治人国立国語研究 (2001) 『語彙の研究と教育 (上)』、財務省印刷局、 pp.32-33
4 I Walid(2016)、『アラビア語の「上下移動動詞」』、学習院大学人文科学研究所、 p 70-80
5 伊東朱美(2014)、『日本語使役空間移動動詞における焦点と意味役割』、日本認 知科学会
6 金 秀珍(2012)、『「あがる」と「のぼる」の意味拡張の様相: 認知意味論の比喩
の観点から』일어일문학 、p.5-22
7 李 善姫(2009)、『日本語の移動動詞の研究』、博士論文、東京外国語大学
8 Levin Beth (1993)『 English verb classes and alternations』、 Chicago University Press
9 室井禎之(2004)「あがる」と「のぼる」-『意味の構成原理に関する例示的試 論』
10 呉 守鎮(2015) 『動詞類義語に関する考察』、pp 140-153
11 大槻美智子(2017) 『類義語-その意義構造と指導上の留意点』
12 太田真由美(2008)『「あがる」と「のぼる」、及び「おりる」「さがる」「くだ
る」「おちる」の意味分析』、日本認知言語学会論文集
13 申 鉉竣(2006)『韓国語の「あがる/おりる」』、第2章・1節
14 田中章夫(2006)『類義関係・対義関係に基づく語彙構造-上下移動動詞「アガ ル・アゲル/サガル・サゲル」の場吅』、第2章・1節
15 寺村秀夫(1982)『日本語のシンタクスと意味Ⅰ』くろしお出版
16 上野 誠司・影山 太郎 (2001) 『移動と経路の表現』、影山 太郎(編)『日英対照
動詞の意味と構文』p40-68、大修館書店
【ベトナム語の参考文献】
17 Diệp Quang Ban (2008), Ngữ pháp Tiếng Việt, Nxb.Giáo dục
18 Đinh Văn Đức (2000), Từ loại tiếng Việt, Nxb Đại học Quốc gia Hà Nội
19 Hoàng Phê (2003), Từ điển Tiếng Việt, Nxb.Đà Nẵng
20 Nguyễn Thị Thanh Huyền (2022), Đối chiếu nhóm động từ chuyển động đa hướng Anh
- Việt, Trường Đại học Thương mại, Hà Nội
21 Nguyễn Lai (1990), Nhóm từ chỉ hướng vận động trong tiếng Việt, Trường Đại học
22 Nguyễn Phú Phong (2000), Những vấn đề về ngữ pháp tiếng Việt, Nxb Đại học Quốc gia Hà Nội
23 Trần, K.H (2005), Động từ chuyển động trong tiếng Nhật và tiếng Việt, Kỷ yếu hội thảo ngành Thông tin, Đại học Quốc gia Hà Nội, Việt Nam
24 Trịnh, T N T (2017), Nhóm động từ đồng nghĩa biểu thị hoạt động nói năng trong tiếng Nhật (Đối chiếu với tiếng Việt), Luận văn thạc sỹ, Đại học Quốc gia Hà Nội, Việt Nam
25 鈴木光司(1991)『リング』、角川書店
26 Lương Việt Dzũng (2018), Vòng tròn ác nghiệt, NXB Văn học
27.<http://chimviet.free.fr/tacgia/nguyennamtran.htm>、(参照2024年7月)
28 <https://www.aozora.gr.jp/>、(参照2024年7月)
付録1 上の方向を表す移動動詞の「上がる」の文学作品における例文とベトナム
語の相当表現
日本語 ベトナム語 付
1 わたしはやしろの境内を出
るとかいどうの裏側を小径
づたいにふたたびみなせ川
の川のほとりへ引き返して
堤の上にあがってみた。 Đi ra khỏi khu đền, tôi men theo con đường nhỏ phía sau quan lộ và trở lại bên bờ sông Minase rồi quẹo ngoặt lên đê
2 「火の用心をいたせ」と言
って当番をゆるされ、父と
一しょに屋根に上がって火
の子を消していた。 khi nghe có lệnh canh phòng hỏa hoạn, hai cha con đã bỏ nhiệm vụ trực ban để leo lên nóc nhà dập tắt những đốm lửa lan tới
人 1 阿部一族
3 ある時、岩の上に、女の人
魚があがって、あたりの景
色を眺めながら休んでいま
した。 Đôi khi có một nàng tiên cá leo lên ngồi nghỉ trên kè đá và đưa mắt ngắm phong cảnh
人 1 赤い蝋燭
Ngọn nến đỏ và nàng tiên cá
4 その後から爪先上 あが り、やが
てまた太鼓の胴のような路
の上へ体が乗った、それな
りにまた下りじゃ。
Tôi cũng đi theo quỹ đạo đó, lên đỉnh đồi rồi xuống dốc bên kia
Nhà ẩn tu núi Koya
5 ちょうどこの 上 口 あがりくち の辺に美
濃の蓮大寺の本堂の床下ま
で吹抜けの風穴があるとい
うことを年経ってから聞き
Nhiều năm sau tôi mới nghe nói rằng có một lối thông gió gần đấy đem không khí mát mẻ từ trong hẻm núi này xuống chùa Liên Đài ở Mino giúp cho khí hậu được điều hòa
Nhà ẩn tu núi Koya
6 二階に上がり、和室の電灯
Gã đi lên tầng hai, bật đèn trong căn phòng kiểu Nhật
7 志津子はいつのまにか舟に
上がり、着物をはおって源
次の横に並び、彼が石像を
上げるのを手伝った。
Không biết Shizuko đã lên thuyền từ bao giờ, cô khoác áo, đứng sát vào với Genji và phụ anh kéo bức tượng đá lên
8 今度、新しく、薄手の茶わ
んが上がってからというも
のは、三度のお食事に殿さ
まは、いつも手を焼くよう
な熱さを、顔にも出されず
に我慢をなされました。
Lần này là lần thứ ba ngài lại dùng bữa với cái chén uống trà mới này và cũng là lần thứ ba ngài cảm thấy nóng đến phỏng cả tay.Thế nhưng ngài vẫn nhẫn nhịn và không để lộ điều đó ra ngoài mặt
物 2 殿さまの
茶わん Chén uống trà của lãnh chúa
9 耳はその鬢のはづれに、ち
よいと上 あが つた耳たぶだけ見
Tóc được vén lên cao, chỉ để lộ hai trái tai
10 呼び出し音を七回聞いたと
ころで、受話器の上がる音
がした。 Đến tiếng chuông thứ bảy thì gã nghe có tiếng nhấc máy
11 バケツが上に上がる速度が
目に見えて遅くなっていっ
Còn chiếc xô thì được kéo lên với tốc độ chậm đi trông thấy
12 そしてとうとう一センチも
上がらなくなり、...
Cuối cùng thì nó chẳng nhích thêm được một phân nào nữa
13 七回ばかり呼び出し音が鳴
ったところで受話器が上が
り、浅川はほっとする。 Ống nghe được nhấc lên ở tiếng chuông thứ bảy, Asakawa thở phào nhẹ nhõm
14 煤ぼけた神棚にお光りがあ Khi thấy trên cái khám 物 3 下町
がつてゐるのも妙だと思つ
た thờ đầy muội đen, mấy cây nến đã được ai đó thắp lên, cô đã lấy làm quái lạ
15 また建物といっては、いず
れも古びていて、壊れたと
ころも修繕するではなく、
烟ひとつ上がっているのが
見えません。
Còn như nhà cửa thì tất cả đều cũ kỹ, có những nơi sắp sập đến nơi mà không ai buồn tu bổ
Không thấy một ngọn khói bốc lên
16 また烟ひとつ上がっている
ではなく、なにひとつ見る
ようなものはありません。
Chẳng những không thấy một ngọn khói bốc lên từ nơi nào mà ngoài ra cũng chẳng có thứ gì khác
17 そして、毎晩のように、そ
のお宮にあがった蝋燭の火
影がちらちらと揺めいてい
Thế rồi cứ vào buổi chiều, ánh lửa của những ngọn nến được thắp lên trong đền lại lay động thành những cái bóng lung linh
物 3 赤い蝋燭
Ngọn nến đỏ và nàng tiên cá
18 野ばらの花が咲いて、みつ
ばちは、日が上がると、暮
れるころまで群がっていま
Hoa hồng dại nở đầy và đàn ong mật đến bay lượn thành đàn ở bên trên từ lúc mặt trời lên cho đến khi chiều tối
19 虎之助はそのまま何事もな
かったように川原をあがっ
た、すると直ぐそこの叢林
の中から、「岡田さま」と
云 っ て 奈 美 が 走 り 出 て 来
Còn Tora no Suke thì làm như không có chuyện chi, bước lên khỏi bãi sông
Vừa lúc ấy thì từ bên trong khu rừng tùng có tiếng nói của Nami gọi
"Ông Okada!" và bóng nàng chạy ra đón anh
人 4 内蔵允留
20 下駄を脱ぎすてて台所にあ
がったお豊さんは、壁に吇
ってある竿の手拭いで手を
ふいている。
O-Toyo bỏ đôi guốc gỗ (gheta) qua một bên rồi bước vào bếp trở lại, lấy cái khăn treo trên sào trúc giăng trên tường để lau tay cho khô
人 5 安井夫人
21 早過ぎることわりを言つて
ると、二階へ案内せられ
Tôi bước vào trong, lên tiếng xin lỗi người ta vì đến trước giờ hẹn và được họ hướng dẫn lên lầu
22 お客さまのお出での所にあ
がって失礼いたしました。
Xin lỗi đến quấy rầy lúc em đang có khách
人 5 土神とき
つね Thổ thần và con chồn
23 縁側に上 あが る重もくるしい跫
Tức khắc đã nghe tiếng chân bước thô bạo lên hiên
人 5 耳無芳一
の話 Chuyện chàng Hoichi cụt tai
24 千穂子は猫にも汁飯を尐し
よそって、あがりっぱなに
丼を置いてやった。
Chihoko sửa soạn cho con mèo một ít cơm canh trong cái tô thật lớn
25 与平はシャツを着て、着物
を肩に羽織ると、炉端に上 あが
って安坐を組んで煙草を吸
Yohei mặc áo lót và khoác hờ manh kimono lên vai rồi ra ngồi xếp bằng bên cạnh lò than giữa nhà (robata) và hút thuốc lá
26 千 穂 子 は 与 平 が 出 て 行 く
と、裏口へまわって、奥の
間へ上 あが った。
Khi Yohei ra khỏi nhà rồi, Chihoko mới vòng ra cửa sau vào căn phòng tít bên trong
27 さあ、ともかくもあなた、
お上 あが り遊ばして。
Mời sư thầy vào đây, cứ tự nhiên như ở nhà
Nhà ẩn tu núi Koya
28 玄関を上がるとすぐ、ベッ
ドルームのドアをそっと開
け、妻と娘の寝顔を確認す
Vừa qua khỏi hành lang, gã lập tức nhẹ nhàng mở cửa buồng và kiểm tra xem hai mẹ con đã ngủ hay chưa
29 いや、べつに……。ま、上 - Không, chẳng có gì đặc 人 5 リング
がれよ biệt Cậu vào đi Vòng tròn ác nghiệt
30 浅川は靴を脱いで、上がっ
Asakawa bỏ giày và bước vào trong
31 子供は学校へも上れない Thành thử em vẫn chưa xin được cho thằng con trai vào trường
32 浅川の場吅、深夜になれば
ペースはもっともっと上が
Về khuya, nhịp độ làm việc của gã còn nhanh hơn nữa
33 マンションは一年後に約三
倍に値上がりしたのだ。
Bởi một năm sau, giá nhà chung cư đã tăng lên gấp ba
34 今日にも、持って上がろう
と思っていたのでございま
Hôm nay chúng tôi định đem nó trình lên quan đây
人 8 殿さまの
茶わん Chén uống trà của lãnh chúa
35 遠方の船乗りやまた、漁師
は、神様にあがった絵を描
いた蝋燭の燃えさしを手に
入れたいものだ
Những người làng chài hay thủy thủ thuyền viễn dương vì muốn có trong tay một ít sáp cháy dở của loại nến đó
人 8 赤い蝋燭
Ngọn nến đỏ và nàng tiên cá
36 昔は、このお宮にあがった
絵の描いた蝋燭の燃えさし
を持ってさえいれば、決し
て海の上では災難に罹らな
Ngày xưa, người ta nghĩ rằng cứ đem những mẩu sáp cháy dở dang của những ngọn nến có tranh vẽ mà xoa lên thân mình thì khi đi biển sẽ được bình an vô sự
人 8 赤い蝋燭
と人魚 Ngọn nến đỏ và nàng tiên cá
付録2 上の方向を表す移動動詞の「のぼる」の文学作品における例文とベトナム 語の相当表現
日本語 ベトナム語 付
37 伏見で船を上 のぼ ったのでござ
りましたがはじめはそこが
伏見の町だということも知
りませなんだ
Hai cha con rời thuyền ở Fushimi, sau này tôi mới biết
38 わたしは二の糸の上 のぼ った様
子から語っているのは何か
と耳を傾けるとも知らず
Bất giác tôi đưa tai lắng nghe tiếng đàn dây vừa được chỉnh theo bậc hai này như thế nào
39 西が床の間で、北が勝手か
らの上 のぼ り口 ぐち に通ずる。
Hốc phòng để đặt đồ trang trí (tokonoma) nằm phía tây còn hướng bắc là lối cầu thang đưa xuống nhà bếp
40 階を三段登 のぼ る。 leo lên ba bậc thang cấp 人 1 山椒大夫
Sansho, một truyện buôn người
41 そこを通り過ぎて、岩壁を
右に見つつ、うねった道を
って行くのである。
Qua khỏi chỗ đó là con dốc dẫn lên cao chạy dọc theo vách núi
物 1 山椒大夫
Sansho, một truyện buôn người
42 門者に秘書官相沢が室の番
号を問ひて、久しく踏み慣
れぬ大理石の階を登 のぼ り、中
央の柱に「プリユツシユ」
を被へる「ゾフア」を据ゑ
つけ、正面には鏡を立てた
Sau khi hỏi người ta số phòng của ông bí thư Aizawa, tôi leo lên cái cầu thang lát đá cẩm thạch, mà lâu rồi tôi đã mất thói quen sử dụng, để đến một gian tiền đường
る前房に入りぬ。 có đặt chiếc trường kỷ (sofa) phủ nhiễu Pháp (Plusch) đâu lưng vào cái trụ chính ở giữa gian, trước mặt có một tấm kính lớn chắn lối
43 馭丁に「カバン」持たせて
梯を登 のぼ らんとする程に、エ
リスの梯を駈け下るに逢ひ
Sau khi nhờ người đánh xe khuân hộ hành lý, tôi dợm lấy thang gác lên phòng thì vừa vặn lúc đó Elise đang tất tả chạy xuống bằng lối đó
44 鑼の如く叫びし馭丁は、い
ち早く登 のぼ りて梯の上に立て
Giọng của người đánh xe đang leo nhanh lên nấc cầu thang nghe như một tiếng cồng đánh thức
45 戸口に入りしより疲を覚え
て、身の節の痛み堪へ難け
れば、這ふ如くに梯を登 のぼ り
Khi bước qua ngạch cửa, tôi mới ý thức được cái rời rã của thân thể mình
Tứ chi của tôi đau nhức làm tôi hầu như phải bò mới lên được tới gác cao
46 これを上 のぼ ぼりて、四階目に
腰を折りて潜るべき程の戸
Theo đó, leo lên đến được tầng thứ tư, tôi bắt gặp một cánh cửa thấp, phải khom người mới luồn được vào trong
47 三階か四階へ、蝋マッチを
擦り擦り登 のぼ つて行つて、や
う う chambre garnie の 前 に
来るのである。